2025年問題に向けて、議会内で研修会を開催しました。

「地域包括ケアシステムの構築に向けた市町村の役割」

~介護予防・日常生活支援総合事業、地域ケア会議を中心として~
講師:田中謙一氏 元桑名市副市長(特命)/ H6年厚生省入省(現厚生労働省)

講演内容

Ⅰ 「地域包括ケアシステム」の必要性
Ⅱ 「地域包括ケアシステム」の基本理念
Ⅲ 「地域包括ケアシステム」の方向性
Ⅳ 「地域包括ケアシステム」の構築に向けた市町村の役割
⑴ 「市町村介護保険事業計画」策定と推進
 ① 地域の実情に応じた介護保険の保険者である市町村としての期待の明確化
 ② 地域資源のネットワーク化の前提となる地域資源の「見える化」
 ③ 保険料負担の増大を抑制する努力の「見える化」
⑵ 一定の範囲に属するすべての事例を対象とする「地域ケア会議」の開催1 屋外スペースと建物、施設の整備

Point
①地域包括ケアシステムの構築は困難な 改革であるが、未曾有の少子高齢社会を乗り越えるために避けて通れない改革。
②介護保険制度の基本理念である「自立支援」という原点に立ち返り、それを忠実に実現しようとするビジョン。住み慣れた環境で生き生きと暮らし続けて幸福な人生の最期を迎えるための地域づくり。
③「全員参加型」の「地域支え合い体制づくり」
④市町村に期待される役割は、地域住民が相互に連携して活動を展開するネットワークを醸成する「地域マネジメント」。 とりわけ、基本的な方針を提示してその共有を働き掛ける「規範的統合」が重要。

 

 
まとめ

「プレーヤー」から「マネージャー」への転換(「抱え込み」・「丸投げ」・「御用聞き」から「働き掛け」へ)、人材の育成、「マニュアル」から「ガイドライン」へ(「業務」の処理から「政策」の企画立案及び実施へ)、首長のリーダーシップ、「縦割り行政」の排除(医療と介護との連携、健康増進と介護予防との連携)など、本市の課題に則した大変示唆に富んだ講演でした。
また、田中氏は限られた在任期間・限られた予算の中で桑名市の地域包括ケアシステムを構築するに当たり、事業のスクラップ&ビルドを行い、その最も有効な事例として、敬老会での長寿祝い金を廃止して地域づくりや介護予防事業に振り向けたことや、行政の縦割りに実施されている会議を見直して、ほぼ同一のメンバーで開催される会議を「地域包括ケアシステム構築に関する会 議」に一本化した上で、これまでの会議に係る案件を包括して議論を進めたことなど、具体的に紹介してくださり大変参考になりました。今後とも、本市の地域包括ケアシステム構築に向けて、議会提言及び質問等に活かしていきます。尚、他会派議員及び執行部にもご案内し、約40名が参加しました。